プロ野球審判FAQ〜審判のお仕事編

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プロ野球の審判って、どうやってなるんですか?資格とか要るんですか?

現在のプロ野球の制度では、プロの審判になるのに特別な資格はありません。元選手などから審判に転身する場合や、アマチュア審判から転身する場合、また一般公募で選ばれる場合などさまざまです。採用されると、通常の場合アメリカの審判学校に短期留学するようですが、最近では採用される前に留学済みの方も増えているようですね。
一般公募の場合の条件としては、身長や年齢、裸眼視力などがあるようです。ルールに精通して瞬時に適用するお仕事ですから、ルールに対する知識は必要でしょう。また動体視力や運動能力のテストも当然あるようです。
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審判の労働時間は、試合に出ている3〜4時間だけなのですか?試合に出てないときは何をしているのでしょう。

試合中にジャッジをするのはもちろんですが、試合前2時間前には球場入りして、試合に使うボールを磨いたり(これは審判の大事な仕事)、試合前の準備を行います。また、それより早く球場に入って、グラウンドで練習する人もいるようです。試合後は反省会を行い、その試合でのジャッジやフォーメーションなどの反省をしたり、レポートを作成したりします。若手の審判はファームの試合に出場する他、一軍の試合を見学したりしていますし、一軍担当の審判でも、自分が担当に当たっていない試合を自主的に見学したり練習して、自分の技術を磨いてらっしゃるようです。グラウンドに出ている時間は数時間ですが、その前後を含めると労働時間はそれほど短いわけではありません。数時間の試合での担当を集中して務めるため、日頃からの自己管理も含めて、楽な仕事とは言えないと思います。
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プロの審判って、シーズンオフは何をしているんですか?

シーズンオフは、審判の皆さんもお休みです。が、秋の教育リーグ(黒潮リーグ、ハイサイリーグ)にも若手を中心に参加されますし、日本シリーズをはじめ各種催し物にも参加されますし、春にはキャンプ合流の前に合同トレーニングもありますから、実質的なお休みはそれほど長くはありません。
オフの間の過ごし方は、各個人によって異なるようですが、身体が資本のお仕事ですから、ジムやプールに通って身体を鍛えたり、整体やリハビリに通ったりされている方が多いようです。シーズン中は家族と一緒に過ごす時間も少ないため、この時期に家族サービスされる方も多いのではないでしょうか。また、最近はパソコンを購入してインターネットに接続したり、データの整理を行ったりする方も増えてきているようです。オフ恒例の審判人気投票の結果にも興味のある方は多いようですので、こっそり覗いている方も結構いらっしゃるのでは?
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プロ野球の審判って、おじさんばっかりなんでしょ?

という誤解は意外と多くのファンが持っているのですが、年齢層は幅広いものの、20代や30代の若手の審判さんは多いのです。一軍の試合で主に活躍しているベテランの方は別としても、若手の審判の皆さんも一軍定着を目標にファームで頑張っていらっしゃいます。
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プロの審判って、サラリーマンなんですか?退職金とかってあるんですか?

プロ野球の審判の皆さんは、「個人事業主」ということで、毎年各連盟と個別に契約を行っています。だから選手と同様、毎年契約更改があり、年俸の交渉もあるようです。選手ほどは上がり下がりは激しくはないようですが、成績が伴わない場合は最悪契約解除ということもありますし、選手並みに厳しい世界です。
あくまでも個人事業主ですから、退職金はありません。雇用保険や会社の健保にあたるものもないようです。
労働組合は最近までなかったのですが、数年前に「商業労連・連帯労組プロ野球審判支部部」として結成されました。審判員の地位向上、具体的には暴力行為の根絶などを訴えているようです。
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プロの審判は、選手並みに高い給料をもらってるんでしょ?

「選手並み」にもいろいろレベルがありますが、数千万クラスの選手並みにはもらっているとは言い難いです。具体的な数字は避けますが、「同世代のサラリーマンと同じか、少しいい程度」だということです。
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日本のプロ野球の審判は、メジャーに比べて下手ですよね。ヒイキもあるし。

「メジャーの審判に比べて日本の審判の技術が劣っている」というのは、良く言われることですが、わたし自身はそうとも言い切れないと思っています。もちろん、アメリカの場合は審判の育成機関がしっかりしていて、メジャーに上がるまでにかなり厳しい道を歩いてこないといけないのに比べて、日本の場合は「引退した選手がなる職業」と思われている(事実そうとは言えないのですが)こともあり、メジャーの審判のほうが圧倒的に技術が上だと思われがちです。
が、どういうきっかけで審判員という職業を選んだにせよ、日本でも一軍の試合でコンスタントに活躍できるようになることは簡単なことではありませんし、それなりの厳しい訓練を経て、技術的にも研鑚を重ねています(アメリカの審判学校への留学もされます)。もちろん個人差もあるので一概には言えませんし、わたし自身は技術的には素人なので断言は出来ませんが、一軍の試合にコンスタントに出場しているレベルにおいては、日本の審判がメジャーの審判に比べて技術が劣っているということは言えないと思います。
ただ、問題があるとすれば、抗議に対する態度や、監督・選手から「なめられないための努力」というか、権威を守るための努力が少し欠けている部分はあるのかな?と思います。メジャーの審判に比べて日本の審判が足りないものがあるとすれば、それは技術ではなくて「威厳」なのかもしれません。現状の日本のプロ野球において、「強気になれない」事情があることはわかりますが、技術的な向上のために努力することはもちろん、「威厳」を守るための何らかの努力もしていただけたら、とファンとしては願う次第です(偉そうですが)。
「ヒイキ」については論ずる気はありません。そういうものがあると信じている人とは話をするだけ無駄だと思っていますから。ただ、一瞬の判断が要求される審判という仕事において、ヒイキだの私情だのを挟めるほど、楽な仕事ではないと思います。
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プロの審判は、ミスをしてものうのうとしていられて楽な仕事ですよね。選手は生活をかけてプレイしているのに。

上で書いたこととも重なるのですが、選手と同様、審判にだって「生活はかかって」います。あまり目立たないですが、ミスをすると割当から外されたり、ペナルティを受けているのです。ただ一度のミスでその後ずっと出場がなかったり、下手をすると契約解除という場合もあり得ます。選手のエラー、監督の采配ミス、もちろんそれらでファーム落ちや休養などもあり得るでしょうが、審判の場合のほうがさらに厳しいと言えると思います。
また、処分されないまでも、ミスをして一番がっかりしているのは審判本人だと思います。選手や監督が気がつかなくてもミスは起きている場合もありますし、そのことで眠れない夜を過ごす審判の方も多いと聞きます。試合中にミスに気がついたとしても、それでも気持ちを切り替えて次のジャッジをしなければならないのが審判です。「簡単な仕事」と思われる人も多いでしょうが、肉体的にも、精神的にもタフでなければやっていけない仕事だと思います。
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